いい家ってどんな家? スタッフ さとう

「和文化研究会 侘び数寄の心でつくる現代の家 見学会」の感想その2

2018 年5 月27 日茨城県建築士会
『女性委員会 和文化研究会』の主催で中村先生の設計の住宅
「ひたちなか中根の家」にて

「和文化研究会 侘び数寄の心でつくる現代の家 見学会」

が開催されました。

女性建築士10名 + 男性建築士 4名=14名が参加されました。

 女性委員会活動報告 ひたちなか支部 川又美恵子さんの感想

を中村先生からいただきましたので、掲載させていただきたいと思います。


 

緑晴れやかな日、中村昌平先生の設計された住宅見学会に参加しました。
ひたちなか市内の土地区画整理施工済み地内でその端部に位置するため、
道を隔てて水田や森林が広がり閑静な住宅街の中にあっても、
ひときわ趣があり風景に馴染んだ住宅です。

近頃では珍しくなった深めの軒の出、軒天材の仕上げ、二本子持窓格子、
がっちりとした基礎、玄関へのアプローチ。
外観を一見してすばらしさを感じました。

内部においても、木材の薫りと青畳が目にしみます。
先生の住宅建築のポリシーは「家主を守る」こと。
そして長く耐用する住宅。
基礎コンクリートの強度指定はもちろん圧縮試験も、
木材の選定も施主立会いで行う。

内部仕上げにおいても合板は使わない、ビニルクロスは使わない。
その通り、廊下もすべて畳敷きです。
国産藁を使用したタタミ床でへり無し、熊本表、小目の畳。
子供さんが乗用玩具で走っても大丈夫なのです。
内壁は京壁仕上げで下部はこんにゃくのりを塗布した和紙貼り。
ふすまは石膏ボード下地の和紙貼り、家具扉は無垢材の板戸、
障子は西ノ内和紙の複層貼り
(障子桟の両面和紙貼りで保温性は有効)。
また通気を考慮した棚の納め方。細部にわたり
「家主を守る」先生の知恵と工夫を講義いただき、
学ぶべきこと多々ありました。

見学会には施主様ご家族にも立ち会っていただきましたが、
4 歳のお子さんに建物について聞いてみると、
建築の工程をよく見ておられたようで
「大工さんのお仕事楽しかったよ、建舞いでぼくも屋根に上ったよ」
と話してくれました。

幼いながらもこの体験は一生忘れられないでしょう。
若い施主様ご家族が中村先生の設計された
この粋な住宅に住まわれ、お子様方の今後にどのような感性を
育てていかれるかと思うと、大変楽しみです。

ウェブ検索すれば和風、北欧調、南欧調、
アメリカンスタイルはたまた丸太小屋までも商業ベースにあり、
個々の好みで選択されるわけですが、日本のこの地域に、
90 年とはいわずとも、ローン終了後も住み続けるために
どのような工法、手法が最もよいのか。

長く住み続けその間の住宅の変化もまた楽しめる
佇まいであることが本当の住宅であると私は思うのですが、
建て主も設計者もそれぞれの立場で熟考し、
「本物の我が家」を手にしたいと思う見学会でした。

中村先生には資料・パネルの作成、長時間わたるご説明や
質問など受けていただきありがとうございました。

また、お施主様にも快く見学の場を提供いただき感謝申し上げます


 感想文その1

「ひたちなか中根の家」現場レポートはこちら

1ページ (全14ページ中)